Kobake short story こばけ 小話
mouthwatering cherry petals boat
こばけのまわりの小さなおはなしです。
「おなかがすいたねぇ」
「みずくさもだベあきたよ」
川の若い鯉たちは、さざなみのしたで話しています。
「なにかながれてきた」
「うすいぴんく色だね」
「パンだよ」「きっとおいしいよ」
そこに長老の鯉がやってきました
「あれは桜のはなびらだよ」
「たべられやしないさぁ」
「春になるとたあくさんやってくる」
「ほおら、おおきな舟みたいだろお」
川の上は、さくらの花びらでいっぱいになりました。
こばけもその花のいかだに乗って
川くだりをしています。
おしまい